合気道開祖直筆『合気道巻之壱』の解釈

・まず最初に、合気道開祖直筆『合気道巻之壱』の原文を記します。
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合気は神の御姿御心より出で真善美なる無限絶対の世界御創造、御経綸の精神なり。

 夫れ武術は百事神と人との合気より言霊表現の誠を以て基準となし誠の心即ち大和魂を更に体に練及し誠魂の練磨統一と其の魂を以て肉身の統一を計り心身に寸隙なき心魂一如の統一を以て誠の人を作るを目的とす。

 更に稽古の徳に依りて天地の真理を悟り練現し天地経綸のため天地の呼吸と呼吸に依り世の様を腹中に修め治国破邪顕正の道を講じ正しき身魂一如の誠を現はし其の術たる一を以て万に当るを知り以て世界万有の教導となり世界万有を和するを本旨とするものなり。

 世相の開展と人の心の進むにつれて武術は常に先鞭をつけて開展するものなれども此の書を見て錬磨するに於ては知らず知らずの中に此武道の真意を悟り真の達人となるものなり。

乞ふ此の書は教授を受けしものの為に又入門者に対しゆるしとして渡すものなれば切磋琢磨の日を重ね極意を得益々奥の技に進み教を受くべく茲に一言依頼する次第なり。

以て序文となす。

  道主識
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次に、 現時点に於ける私の解釈を記します。
大先生の主旨に沿ったものであるかどうかは、分からないことをご了承ください。


・合気とは妙精な気と荒い気の結びである。 妙精な気は神の発する気で虚空の気である。
虚空の気は、この世(顕界)を成り立たせ、顕界は有限の世界であるのに対し、顕界とは別の次元に存在し、無限の世界である。 神はこの無限の妙精な気を使って、この世(顕界)を創った。 
この顕界の現れをビッグバンと呼び、個が初めて存在し、個と個の間に空間と時間が存在し、相対が発生した。 妙精な気は、真善美と言う核で構成されている。 荒い気は、顕界を構成する処の物の気であり、人や自然界が発する気である。 荒い気は科学の力で存在を確認出来ても、妙精な気は科学では到底計測できない処のまことに小さな存在である。 しかもこの気は真善美で構成されているため、汚れた気や欲の気とは結ばれない性質がある。 別の次元にある妙精な気(真善美)と人の荒い気を結ぶ為には、人の個として存在する属性(自分を存在させる為の欲)を働かなくし、穢れ、淀みを真(まこと)を以って浄化する必要がある。


・この世(顕界)は、神の御姿御心より生じた有限の世界であり、人の気は荒いが、真(まこと)ひとすじによって、 別次元にある処の神の気(妙精な気)と合気(結ぶ)して、妙精な気を発動できる様になる。 妙精な気は真善美で構成されている為、有限の世界である顕界と、無限の世界である次元の世界(幽界、霊界、神界)が結ばれることとなる。 つまり、顕幽神が一体となり無限絶対の世界御創造となる。


・横の世界(時間、空間が存在する有限な顕界)と縦の世界(時間と空間が無い処の次元の世界(無限世界))が結ばれて、顕界にいながらにして無限絶対世界(縦の幽界、霊界、神界)にもいる状態となる。 この様な状態は人の完成を意味し、地上天国構築ともなり、三界(顕幽神)が貫かれる姿となるので、御経綸の精神となる。


・真人(誠の人)を創る為には、通常人は体主心従霊属の状態を、霊主心従体属の状態に変える必要がある。 つまり、個に属する属性(五感)や欲を停止し、真(まこと)一筋にすることによって浄化し、霊主心従体属にする必要がある。 合気道の稽古を正しく行えば、心身が禊がれ、霊主心従体属の状態に近づいて行く、そしてこの様な状態で稽古して行くと、一つの技(術)によって真理を悟る事になる。 


・天界、地(顕)界の真理を悟れば、真人となり天地経綸(真善美で満たされた世界)の為に行動出来る様になる。 世が時と共に変わっても、真人への道は変わらない。 また、合気道(武産合気)は神様より下ろされたものであるから、稽古によって真人になれば、真の達人となる。  ここで言う達人とは、神様と一体となって、神技が出来る人の事を指している。 勿論この達人は、悟りを開いた人で 我即宇宙、合気道は愛なりを実感できる人である。 


・縦(次元の世界、真心の世界、幽界・霊界・神界、無限の世界)と横(顕界の世界、有限の世界、相対の世界、時間と空間の世界)の世界を同時に実現したのが真人であり、悟人である。  この様な状態の人を、顕界の如何なる武器を利用しても殺めることは出来ない。 顕界の人が見ても只通常の人に見えるが、別次元のベールで包まれている。 この様な状態にある人を見れるのは真人だけである。  尚、この様な状態にあると、個の属性は宇宙全体に変わるので、世の様(森羅万象)は全て腹中にあり、大先生が言われた様に月の裏側まで分かると言うことになる。 また、人を含めた自然界の動き、働きも全て分かる様になる為、鳥の鳴き声の意味さえ分かると言うことになる。

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